As a mark of respect to "him" : あとがきと解説
darkraven Unlocked 2022/04/04 22:01
このお話はイングレスのストーリーを追ってきた私・MailEaterが、ある日突然XMの啓示を受け勢いで書いてしまった、初めての(?)フィクションです。色々と拙い部分にツッコミはあるかと思いますが、謎解きともども、楽しんでいただけていたら幸いです。
ゲーム内の用語や人物はほぼ登場せず、一見イングレスの世界観とは全く違っていますが、このお話はイングレスの世界観をベースにしています。ネタ元となったイングレスのストーリーに詳しくない方もおられるかと思いますので、解説も置いときます。
解説(クリックで開きます)
イングレスは、未知のエネルギー物質「エキゾチック・マター(通称XM)」をめぐる物語です。この物質は、これまでオカルトや魔法の類だと思われてきた、様々なことを実現する可能性を秘めていました。中でも重要なキーワードとなるのが、今作のモチーフにも使用した「シミュラクラ」です。科学的には完全に解明されたとは言えない段階ですが、高濃度のXM(またはダークXM)環境下で人間が死亡すると、XMはその人体と記憶の複製(シミュラクラ)を生成します。そこへ死んだ人間の「魂」が入り込むことで、あたかもその人本人が生き返ったかのように活動することができるのです。
ただ、このシミュラクラには大きな問題点がありました。シミュラクラを構成するXMは生成から1331日が経過すると崩壊し、その時元の遺体が残っていれば、もう一度複製をやり直すのです(これはリカージョン、再帰とも呼ばれます)。
したがって肉体は死亡時点の状態に戻り、生前の記憶もコピーされますが、直前まで活動していたシミュラクラが持っていた、新しい記憶は消えてしまいます。イングレス・ストーリーに登場したシミュラクラたちは、失われる記憶を保存するためにさまざまな試行錯誤をしてきました。
古代からシミュラクラ化の技術は「13マグナス」と呼ばれる秘密結社が代々受け継いできたものでした。彼らは13人を一組としてシミュラクラを生成します。13人単位でないと生成できないのか、13人で構成する事にどんな意味があるのか。その答えのひとつは提示されましたが、まだまだ明確にわかったとは言えません。
シミュラクラになった本人がそれに気づかないまま、リカージョンを迎えたらどうなるのか?
外国でシミュラクラになってしまったら、リカージョンのたびに問題が起きるのでは?
という想像から広がっていったのが、今回のお話でした。実は書き始めた段階では、お話の結末は決まっていませんでした…(笑)。
何度も記憶を失う災難に見舞われた「彼」は、その真相を知りたいと思うだろう。そしてそれを知った時、彼はどうするのだろうか──?
そう考えてみたら、物語は自然にこの結末へとつながっていきました。
私は既に、「彼が誰なのかを知っていた」のかも知れません。
この物語の世界ではXMはまだ公に発見されておらず、ゲーム「イングレス」もまだありません。その物語は、これから始まるのです。その語り手となる「彼」が、なぜこんなにも真実の探求に執心するのか?という疑問への、私なりのひとつの考察でもあります(公式には、彼はシミュラクラではありませんが)。
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「森澤家大十三結社」…森澤マグナスの物語は、できるならこのノートの記述をすべて再現したいと考えていた部分です。
しかしながら、華恵さん同様に私自身も戦時下の日本についてはまだまだ勉強が足りず、すべてをお話しするにはかなりの調査と時間と文章量が必要だと思い、今回は要約にとどめました。ずいぶん駆け足で消化不良の感はありますが、この呪われた一族のお話はまたいつか、別の機会に…。
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謎解きについて。既に気づいている方も多いかと思いますが…。
各章の謎解きは物語の内容とは無関係ですが、解読されたキーワード、そしてその続きが綴られたページのURLはすべて「13」に関連しています。
各話キーワード解説(クリックで開きます)
第1章:He still doesn't これは単純に13文字の文章。タイトル「I know who he is」に続けて、「だが彼はまだ(知らない)」と読みます。
第2章:
tredec ラテン語の13。
第3章:
Baker's dozen 「パン屋の1ダース」13個のものを表す慣用表現。
Sonata quasi una Fantasia 「幻想曲風ソナタ」ベートーヴェンピアノソナタ第13番。「月光」とも呼ばれる、同名の14番の方が有名ですね。
第4章:
Aluminium アルミニウムは原子番号13の元素。オシリス世界のP.A.シャポーがテレグラムに現れた時の名前「AL13」としても使われました。
第5章:
Twenty Korun 「20コルナ」チェコの通貨20コルナ硬貨は、13角形をしています。
Tiramisu 「ティラミス」はAndroid13の開発コードネーム。
第6章:
Baktun 「バクトゥン」はマヤ暦で最も大きな単位。マヤの暦は13バクトゥンで一巡りします。
Ophiuchus へびつかい座。天文学では黄道上に位置しており、黄道十二宮にこの星座を加えた「13星座占い」が提唱されたりしました。
Odaiba お台場の呼び名で知られるあのエリアは、東京港埋立第13号地とも言います。
第7章:
Rosamunde 「ロザムンデ」シューベルト弦楽四重奏曲第13番の別名。曲中に歌曲「キプロスの女王ロザムンデ」に使用した楽曲の一部が組み込まれています。
Yohzei 陽成天皇。小倉百人一首13番「つくばねのみねよりおつるみなのがは こひぞつもりてふちとなりぬる」の詠み人として知られています。
第8章:
The devil in the belfry 「鐘楼の悪魔」エドガー・アラン・ポーの短編作品。森鴎外が日本語訳した際の邦題は「13時」でした。
Death 「死神」タロットカードの大アルカナ13番。
第9章:
Akashi 「明石」源氏物語第13帖のタイトル。
Loki 「ロキ」北欧神話では12人の神々が祝宴を催していた時に、招かれざる13人目の客としてロキが乱入し、神々を糾弾したと伝えられ、13を忌み数とする由来のひとつとなっています。
Minamoto no Tsunenobu 源経信は平安時代の歌人。月岡芳年の連作「月百姿」13枚目のモチーフとして、経信が鬼と遭遇したエピソードが描かれています。
第10章:
Change in the New Aeon 「新時代の変化」オーラソーマ・ボトルNo.13の名称。上半分が無色透明、下半分が濃いグリーンの2色で表されます。
第11章:
Eighteen O'clock Music Bath 「18時の音楽浴」は海野十三が昭和12年に発表した短編SF小説。後に英訳版が出版され、この英題が使われました。
第12章:
United Colonies 「アメリカ独立13州」の独立前の呼称。
第13章:
Hole Hearted 「ホール・ハーテッド(穴の空いたハート)」はアメリカのバンド・エクストリームのアルバム「ポルノグラフィティ」13曲目の楽曲。
エピローグ:
Triskaidekaphobia 「13恐怖症」は13を忌み数として忌避する行動を指すギリシャ語。
各問題の解読についての解説は割愛いたしますが、既に解読済みで役目を終えているため、ネタバレ・共有はご自由にどうぞ。
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謎はすべてアンロックされましたが、このブログは当面このまま公開しておこうと思います。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
末筆ながら、お話の下読みとアドバイスをいただいたリュケイオン調査員asatte666氏、ならびにテレグラム招待コード暗号のテストにご協力いただいた同調査員PlSp氏、そして特設Telegramグループ内外で謎解きに挑戦してくださったすべてのデコーダー・エージェントの皆様に感謝申し上げます。
2022年4月 MailEater(白ヤギ)